【博多ひのきクリニック】Boostrixに関して
Boostrix(ブーストリックス) — 成人・思春期向け 3 種混合ワクチン(Tdap)
ジフテリア・破傷風・百日咳を同時に予防するワクチン(Tdap)。海外で広く使用されているブースター用ワクチンです。日本では施設によっては輸入ワクチンとして扱っている場合があります。
Boostrixとは
- ジフテリア(D)、破傷風(T)、百日咳(ap: acellular pertussis)を組み合わせた不活化ワクチン(Tdap)。
- 主に10歳以上を対象とした追加(ブースター)接種に用いられます(添付文書等では10歳以上が目安)。
- 1回(0.5 mL)を筋肉内(上腕三角筋)に接種します。
期待される効果
● 破傷風:傷からの感染によるけいれんや呼吸障害の予防。
● ジフテリア:毒素による心臓・神経障害の予防。
● 百日咳:咳発作の予防、特に乳幼児への二次感染防止に有用。
(注)成人・思春期での百日咳免疫は時間とともに低下するため、ブースターとしての接種が推奨される場合があります。
対象・接種タイミング
- 一般的には10歳以上を対象に1回の追加接種(ブースター)として用いられます。海外では妊婦(妊娠27–36週)への接種推奨もありますが、妊婦への運用は国ごとに異なります。
- 破傷風が懸念される創傷(破傷風予防の目的)では、状況に応じてBoostrixが使用されることがあります(ワクチン歴により間隔の規定あり)。
- 日本国内ではBoostrixを「輸入ワクチン」として扱う施設があり、薬事承認/取り扱いの状況は施設や時期で異なります。接種を希望される場合は当院へご相談ください。
副反応(よくあるもの/稀なもの)
- 接種部位の痛み・発赤・腫れ、発熱、倦怠感などが一般的です。通常は数日で改善します。
- 重篤なアレルギー(アナフィラキシー)は稀ですが、発熱・発疹・呼吸困難等が出た場合は直ちに医療機関へ。
- 既往や薬剤アレルギーのある方、重い急性疾患のある方は接種を見合わせることがあります(医師の判断)。
Boostrix と他のワクチン(例:Adacel)の違い(簡潔比較)
| 項目 | Boostrix | Adacel(比較) |
|---|---|---|
| 主成分 | ジフテリア・破傷風・不活化百日咳成分(Tdap)。製剤ごとに成分量はやや異なる。 | 同じくTdap。適応年齢や成分比が若干異なる。 |
| 対象年齢 | 一般に10歳以上(海外・添付情報に基づく)。 | 10〜64歳(製品による)。高齢者の適応差がある場合あり。 |
| 使用場面 | 思春期・成人のブースター、妊婦の接種推奨がある国もあり。 | 同様にブースターとして使用。接種機会を逃さないために使い分けられることが多い。 |
※ 製剤別の適応年齢や使用上の注意は添付文書・製造元情報に従ってください。差異が小さいため、多くの医療機関では臨床的に互換的に使用されることがあります。
よくある質問(FAQ)
- Q. Boostrixは妊婦でも接種できますか?
- A. 一部の国では妊娠27〜36週に接種を推奨していますが、国内での扱いや推奨は国・施設で異なります。妊娠中の接種希望は産科医と相談してください。
- Q. 接種間隔はどのくらいですか?
- A. 多くの場合は1回のブースターで済みます。直近にTdやTdapを接種している場合は所定の間隔(例:5年など)を確認します。医師が接種歴を確認して判断します。
- Q. 接種費用はいくらですか?健康保険は適用されますか?
- A. 当院では9000円です。健康保険の適用はございません。
接種の流れ・同意について
- 問診(既往歴・アレルギー・妊娠の有無など確認)
- 医師による説明と同意書の記入(輸入ワクチンの場合は特記事項あり)
- 接種(上腕に筋注)→ 15分程度の院内観察(アレルギーの早期発見のため)
- 副反応があれば速やかに連絡・受診してください
